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エジプトのキリスト教徒

(「エジプトから(32)」Euro News No.139 Winter 2016 掲載 リロ・トランスユーロ発行)
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聖マリア教会(別名ハンギングチャーチ)

今号はオアシスを離れ、エジプトのコプト派キリスト教についてご紹介します。エジプト国民の大半は、スンニ派イスラム教徒といわれていますが、キリスト教徒も1割程います。そのほとんどが原始キリスト教会の流れをくむ、東方諸教会の一派であるコプト教徒です。「コプト」とは、もともと「エジプト」の語源となった言葉であり、コプト教徒こそ古代エジプト人の流れをくむ民族であるという誇りを持っています。

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アラベスク模様と融合した十字架の装飾(教会内)

7世紀以降、イスラム帝国の振興により、エジプトはイスラム化、アラブ化していきますが、コプト教の宗教儀礼は今も原始キリスト教の痕跡を残しています。コプト暦は、古代エジプトの太陽暦の系統をひくもので、30日の月が12カ月、それに追加日を5日加えて1年を365日としています。年始は9月11日に始まり、キリスト生誕日は12月25日ではなく、1月7日となります。最近では欧米の影響を受け12月25日と両方を祝う傾向があるため、エジプトにいると、クリスマスが2度やってくることになります。

カイロ市営地下鉄のマリギルギス駅の東側に広がる「オールド・カイロ地区」には、イスラム教以前の4~5世紀から建設された教会が集中し、コプト博物館と併せてカイロ市内観光のハイライトになっています。最も有名なコプト正教会は聖マリア教会です。起源は3世紀頃とされ、その後、修復と再建がくりかえされ、アラベスク模様や壁龕装飾などにはイスラム教の建築スタイルとの融合がみられます。

ヘロデ王の迫害を逃れエジプトを旅する聖家族
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エジプトは、ヘロデ王の迫害を逃れた聖家族が一時滞在した地であることも、コプト教・キリスト教徒の誇りです。聖マリア教会で売られていた聖家族のイコンの背景には、ナイル川とナツメヤシの林、遠景にギザの3の大ピラミットも描かれています。はたして聖家族もピラミットを見たのでしょうか?

by chiarablue | 2016-01-08 01:24 | カイロ歴史地区を歩く | Trackback | Comments(0)

地中海人(「ばはる☆あびあど」البحر الأبيض とはアラビア語で地中海のこと)56カ国訪問


by chiarablue

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