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カラードキャニオンへ

(「エジプトから(34)」Euro News No.141 Summer 2016 掲載 リロ・トランスユーロ発行)
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沿岸の町ヌエバからアカバ湾を望む


かつてアフリカ大陸と地続きだった、エジプト東部のシナイ半島。大陸分裂の要因となるマントルの上昇と地殻の伸張によって、グレートリフトバレー(大地溝帯)が形成され、アフリカ大陸からも、アジア大陸からも切り離されてしまいました。そして文明の交差点として、紀元前からさまざまな歴史的事件の舞台となってきたのです。グレートリフトバレーとは、トルコ南部に端を発し、ヨルダン渓谷の死海やアカバ湾、紅海を形成し、東アフリカのエチオピア、ケニア、タンザニアを縦断する地球の大きな谷間といっていいでしょう。

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地面が裂けたような細く深い渓が続く


紅海はダイビングスポットとしても有名ですが、その東側、アカバ湾のヌエバという町の郊外に、「カラードキャニオン」と呼ばれる奇景の渓谷があります。幅平均1メートル、深いところで40メートル、時には人ひとり歩くのがやっとという、細く深い谷が、800メートル程続いています。このあたりは、数百万年前まで海の底でしたが、火成岩などから成る深く硬い岩層の上に、薄く堆積した柔らかい砂岩と石灰岩の層が、海水で浸食され、このような奇形ができあがったと考えられています。
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岩肌に浮かびあがる鮮やかで幻想的な模様


カラードキャニオン(=彩られた渓谷)という呼び名は、黄色、オレンジ、赤紫、金色、銀色など、色彩豊かな地層が織りなす岩肌に由来しています。地層の中に閉じ込められた金属が、酸化されて変色し、マーブル模様のように交じり合い、岩肌に花が咲いたような、木の年輪のような模様を描き出しています。有名なリゾート地からも近く、手ごろなトレッキングルートとして人気があります。


by chiarablue | 2016-07-05 01:33 | エジプト砂漠の旅 | Trackback | Comments(0)

地中海人(「ばはる☆あびあど」البحر الأبيض とはアラビア語で地中海のこと)56カ国訪問


by chiarablue

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