カラヴァッジョ「キリストの捕縛」 その1
まるで演劇のワンシーンを切り取ったような臨場感
強烈なスポットライトを浴び、ステージ空間の闇から浮かび上がる登場人物
驚き逃げ惑う弟子 今まさにキリストを裏切り口づけしようとするユダ
運命を受け入れるかのように静かに目を伏せ静止するキリスト
これを取り押さえるローマの官憲たち
後方からランタンを掲げ、キリストの顔を照らす傍観者は、画家のカラヴァッジョその人自身
カラヴァッジョの作品にあまり説明はいらない
誰もが知っているストーリー
次の瞬間、画中の人々が動き出し、荒々しい足音や、叫び声、争い声が聞こえてきそう
* * *
イタリアにあるカラヴァッジョの絵はほとんど見ました。
「マテオの三連作」と「ロレートの聖母」は、ローマに行く度に必ず見るようにしている。
しかし、一度は見ておきたいリスト筆頭にあったこの絵を見るには、イタリア半島から遠く離れたアイルランド共和国のダブリンに行かなければなりません。アイルランドに行く機会はなかなかない。それが今年の初めから計画していたイギリス・ウェールズ旅行でようやく実現する!
・・・かとおもいきや、今年、イングランド(ロンドン)、スコットランド(エジンバラ)とアイルランド共和国(ダブリン)の3つのナショナルギャラリーの協力で、"Beyond Caravaggio"と称し、カラヴァッジョとカラヴァジスキの作品を集めた巡回展が開催されるという情報をキャッチ。私が滞在中にこの絵は一体どこにあるのか、慌てて展覧会の日程を調べ、エジンバラのナショナルギャラリー・オブ・スコットランドにあることが判明。念には念をいれ、アイルランドのナショナルギャラリーにメールで問い合わせて確認し、ウェールズからダブリンに渡る予定を、急きょエジンバラに変更し、晴れてご対面。
メインの展示室に掲げられた、その絵「キリストの捕縛」(Taking of Christ)は、ロンドンのナショナルギャラリーが所有する同画家の「エマオの晩餐」と向かい合った状態で展示されていました。他のカラヴァジェスキの作品を全く寄せ付けいない、圧倒的なな存在感。比較にならない。
何度も何度も主展示室に戻り、いつまでも見入っていたい絵でした。
次回は是非、この絵の終の棲家となっているダブリンのアイルランド・ナショナルギャラリーでひっそり見てみたい
この絵が、何故、ぽつりとダブリンにあるのか、400年間行方不明だったこの絵の数奇な来歴は次につづく
地中海人(「ばはる☆あびあど」البحر الأبيض とはアラビア語で地中海のこと)56カ国訪問
by chiarablue
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