ローマの隠れ家カフェ "Chiostro del Bramante" (ローマ再訪 6)
『ブラマンテの回廊』(Chiostro del Bramante)と呼ばれるパティオ(中庭)を囲んだ美しい回廊は、ルネッサンスを代表する建築家ドナート・ブラマンテ(Donato Bramante)の設計により16世紀初めてに建てられたもの。ブラマンテといえば、レオナルド・ダ・ビンチの『最後の晩餐』のフレスコ画が残るミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院を設計したほか、カトリック総本山であるバチカンの聖ピエトロ大聖堂の設計原案も手掛けた人物です。
そんな偉大な建築家の設計による世界遺産級の建物をカフェにしてしまうというローマの懐の深さ。回廊を飾る列柱の基礎の段になっている部分をそのまま作り付けのベンチとして利用し、ガラスとスチールのモダンなテーブルを取り付けたデザインがシンプルかつ斬新。
何よりも観光地のど真ん中にあって、訪れる人も少なく時間が止まったように静寂な空間。お気に入りの本でも持ち込んで、誰にも邪魔されることなく、店員に追い立てられることもなく、何時間でも読書や思考に耽ることができます。このカフェを知ったのは、残念ながらローマから引っ越してしまった後のこと。この街に住んでいたなら毎週のように通っていたかもしれない。それでも、ローマを訪れる度に、ここには来るようにしています。
というのも、イタリア人にとってバール(Bar)とはゆっくりとお茶を楽しむ場所ではなく、立ち飲みカウンターで一気にエスプレッソをひっかけていくようなところ。一方、観光客が行くような街中のバールでは、カウンターと広場に面したテーブル席では料金が大きく違います。それは仕方ないとしても、街中の喧噪と店の混雑具合で、あまり長居をする雰囲気ではないのです。だからこのカフェテリアは本当に貴重な空間。
カフェ類だけではなく、パスタやブランチも提供していて、これがかなりのクオリティ。以前、オーダーしたアーティチョークのラザニアは秀逸でした。
by chiarablue
| 2018-03-02 12:27
| イタリア/地中海世界の旅
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地中海人(「ばはる☆あびあど」البحر الأبيض とはアラビア語で地中海のこと)56カ国訪問
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